アンティーク 光沢感のある桐の地模様に
立体的な織がちょっと珍しい色無地のお着物
お気に入りトップ3に入る、大好きな帯を
久しぶりに締めました
この帯は、自分で着物を着はじめたばかりの
20代前半の頃 憧れていた(今も憧れ続けていますけども)
下北沢にあるアンティーク着物屋さんで、一目惚れ
当時のわたしにとってはサラッと買えるものではなかったけれど
思い切ってお迎えした、大切な思い出と共に
大事に大事にしている帯なのです
今回はこの着物と帯についてのおはなし
着物スタイリストCadbunnyの日々の装いを紹介
季節の着物の選び方やコーディネートのコツ、スタイリングの楽しみ方、配色バランスなど
スタイリストとデザイナーを兼ね備えたCadbunnyの目線で綴るプライベートエッセイです
お着物の地模様の桐模様
そして背中の一つ紋にも
「五三桐紋」が施されています
豊臣家の紋として有名な桐文ですが
桐は聖天子の出現を知らせるために
鳳凰が来て鳴くという縁起物の木で
菊紋章に次ぐ格式のある紋として
一般庶民や将軍でも使ってはならない
家紋だったとか
一般大衆に広く使われるようになったのは
室町時代以降と言われています
多くの着物や帯に使われるめでたい柄として
よく見かけるけども、歴史深い文様なのですね
袖元からチラリと見える紅絹に合わせて朱の足袋を履きました
まだ雪が残る四月の北国ですから別珍素材で暖かく
インナーにはほんの少しのアクセントとして
パープルが見えるようにシースルーのお洋服を着ています
帯はというと後にも先にも、こんなに可愛い帯に出逢えない
と思うほど大好きな帯です
他にも可愛い帯はたくさん持っているのだけど
この特別感はなんなのでしょう
思い出も含めて、大好きなんでしょうネ
少し赤みがかったグレーは「滅紫」けしむらさき
最高の配色バランスのモダンパステル草花刺繍
和と洋の折り合いが素晴らしいのです
(これを和洋折衷というのですね)
蝶と鳥さんもいるのです
桐めがけて春を告げる鳳凰に見立てて
物語を感じるスタイリングにしたという訳です
◆ 日本の伝統色 ◆
着物の色「青緑」
シアン77%+マゼンタ17%+イエロー49%
あざやかな青緑系の色ということで
ブラックが1%も入っておらずクスミのない
新緑の春にぴったりな色ですね!
帯の色「滅紫」けしむらさき
シアン71%+マゼンタ78%+イエロー56%
+ブラック19%
暗い灰みの紫系の色
滅する紫と書いてけしむらさきって
名前からして素敵な色です
赤紫でもなく紫赤でもなく紫を滅するというのはどういうことか…?
考えてみました
気づいたことは、色を作る過程で
まず、シアン71%+マゼンタ78%を混ぜると
とても鮮やかな紫色ができます
「本紫」に近い色ですね
そこにイエロー56%を混植すると
あの鮮やかな紫が滅される!!!
紫が消えて赤みを纏った灰色に変わるんですね
最後にわずかなブラックで深みを足すという
色だということが分かりました
試しに混色順を変えてみたところ、
シアン71%+イエロー56%の組み合わせは
青緑になったのです
なんとお着物の色!!!
遠いようで近い過程を通って混色された色の組み合わせでできている
帯の色を紫系とは認識していなかったけれど
首元にパープルを使いたくなったのは無意識なのか何なのか...,
調べて後から知ったこととは言え
今回のスタイリングに一人納得したCadbunnyでした
二〇二二年四月末日
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